祖母の四十九日の直前に亡くなった伯父

数年前の冬、父方の祖母が亡くなりました。祖母はその時94歳になったばかりということで、遺された私達はもちろん悲しみもありましたが、どこか穏やかな優しい雰囲気の葬儀となりました。その葬儀で唯一気がかりというか、心残りだったのが、長年闘病生活を続けていて入院中だった伯父のことです。

父は男ばかり三人兄弟の真ん中で、末っ子である伯父は兄弟の中でも唯一独身でした。父の話によれば、子供の頃から伯父は体が弱いということもあり、兄弟の中でも人一倍可愛がられて育ったそうです。成長してからも甘えっ子のままで、「母が一番大事」というのが口癖でした。母である祖母自身も兄弟皆に平等に接しようとしながらも、無意識のうちに伯父を一番可愛がってるようなところもあったようです。

そんな伯父のことですから、大好きな祖母の最後のお別れであるお葬式には何が何でも参列したかっただろうと思います。父と叔父も、その気持ちはよく分かっていたので、なんとかできないかと相談もしていたようです。しかし、寒い時期ということもあって、伯父は葬儀への参加を見合わせました。

伯父のいない祖母の葬儀は、どこか欠けた部分があるような気がしてしょうがありませんでした。伯父のことが大好きな祖母も、もしかしたら少し寂しさを感じてるんじゃないかと感じました。

その四十九日法要の少し前のことです。伯父が亡くなったという報せが来ました。

その報せを聞いたとき、私は悲しいという気持ちよりも先に、伯父のことと祖母のことを想って、「二人とも寂しくないね」という言葉が自然に出てきました。

傍から見ても、伯父の闘病生活は長く、苦しく、辛いものでした。生涯独身だった伯父にとっては、祖母が最も身近で誰にも代えがたい大事な人でもあったのだと思います。
祖母にとっても、いつまでも甘えっ子な末っ子をのこしていくことに、もしかしたら心残りがあったかもしれません。

そんな二人の続けての訃報に、変な言い方かもしれませんが、ぼんやりと暖かな気持ちになりました。
きっと、今は向こうで仲良く親子で過ごしていると、そう思います。